整枝作業では、樹の内側まで日光が届くように丁寧に枝を切り落としていきます。 剪定は樹の形を整える作業で、りんご栽培で最も熟練を要することから「千本の樹を剪定しなければ一人前になれない」とも言われています。 質の良いりんごを毎年実を実らせるために、樹ごとの個性に合わせ、今後の生育を見据えて樹形を整えていきます。
これから葉を茂らせ実をつけるりんごの樹に、養分を与える大事な作業です。 肥料が過剰や不足にならないように、土の状態を分析して適切な量を散布します。
りんごの樹はとてもデリケートで、病気にかかったり、害虫に葉や実を食べられたりする被害を受けやすいです。 農薬を使用しないで栽培した場合、収穫物の3%程度しか売り物にならないというデータもあります。 農薬の散布は、国によって人体や環境に影響がないと実証されている基準を遵守して行われています。 スピードスプレーヤーという機械を使って、年に数回散布します。
りんごの樹は、ひとつの芽から5〜6個の花がまとまって咲きます。 その真ん中の大きな花(中心花)のみを残して周りの花を摘み取ることで、樹の養分の消耗を抑えます。 りんごの品種のほとんどは、同じ品種の花粉がついても実がならない性質のため、他の品種と交配させる必要があります。 現在はマメコバチによる受粉が主流ですが、より確実な手作業での人工授粉を行う生産者もいます。
りんごの樹には数え切れないほどの実がつきますが、全てを大きく育てると、養分が分散して良い実ができず、樹も疲れてしまいます。 最終的には3〜5芽につき1つの実がつくように、つるが太く長く、形が良好な実を厳選していきます。
ひとつひとつの実に袋をかけることで、果皮がなめらかで色鮮やかなりんごに仕上がります。 収穫直前の9〜10月には袋を外し、太陽光をたっぷり当てて色づきを促します。 有袋栽培のりんごは、外観がきれいで貯蔵性が高いのが特徴です。 一方、無袋栽培のりんごは甘み・香りに優れ、「サン◯◯」という商品名で出荷されています。
実の周りの葉を摘み取ることで実全体に日光を当て、ムラなくきれいに色づくようにするための作業です。 葉を取りすぎると十分に光合成ができず、実の糖度が上がりにくくなるため、全体のバランスを見ながら2〜3回に分けて行います。 一般には、りんご1個につき50〜60枚の葉が必要だと言われています。
日光を反射させる白色や銀色のシートを地面に敷いて、りんごの下面にも光が当たるようにします。 また、シートを敷くことで土の温度を下げ、りんごの樹に秋の訪れを教え、色づきを促す効果もあります。
りんごの実は、日光が当たった部分が真っ赤に色づきます。 枝や葉に触れて影になっている面にも日光を当てるために、実を優しく回転させ向きを変えます。 このような地道な作業により、甘くて見た目も美しいりんごに仕上がります。
品種ごとに、熟度を確かめながら収穫していきます。 生食用りんごは傷がつかないようにひとつひとつ手で摘み取り、丁寧に運搬されます。 収穫後はすぐに貯蔵用の冷蔵庫へと運び込み、もぎたての鮮度を保っています。
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